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Per Ramberg教授の講演会に参加しました。

[2016.03.17]

こんにちは。冨岡歯科医院 院長 冨岡栄二です。

3月12日(土)、13日(日)の2日間、スウェーデン イエテボリ大学歯周病科のPer Ramberg教授の講演会に参加しました。

Per Ramberg教授ー直接のインストラクター

Per Ramberg先生は、私が1995年から1998年にイエテボリ大学歯周病科で歯周病専門医としてのトレーニングを受けた際、クリニックでの直接のインストラクターだった先生です。治療計画、治療内容のディスカッションをしたり、歯周外科治療のチェックを受けたりしていました。また、講義を受けたり、ケースプレゼンテーション(患者さんの治療について、皆の前で発表し、議論をする場です)でも多くのことを教えて頂きました。当時は、まだ”教授”の肩書はお持ちでなかったですが、現在は、教授になられています。

とても親しみやすい先生で、クリニックでは、みな”ペレ!”と呼んでいました。いつも穏やか、ユーモラスで、クリニックでは、難しい場面でも緊張感みなぎらせて、、、のようなことはなく、指導を受ける私たちも癒されて?いました。日本食大好き!の親日家でもあります。

今回お会いしたのは、2014年5月にスウェーデン イエテボリ大学で行われたヤン・リンデ シンポジウムという学会の時以来です。

Per Ramberg先生は、歯科医になる前に、化学を専攻していた異色の経歴をお持ちで、バイオフィルム(プラーク)の形成、抗菌作用のある薬剤、歯磨剤など、歯周病治療のなかでも、化学が関連する部分に特に造詣の深い先生です。

最新の”インフェクション コントロール”の概念を確認できました。

”歯周病治療の根幹は、インフェクション コントロール(感染の除去、コントロール)”という概念は、ずっと以前から変わることがありませんが、最新の知見から、そのとらえ方がさらに進化しています。そのことをはっきり再確認させて頂きました。

 歯周病治療で一番大切なのは、”インフェクション コントロール!!”です。 いかに、感染(プラーク)を除去し、清潔な状態を保つか、、です。その基本は、機械的清掃(患者さんの側ではブラッシング、歯科医の側では、器具をつかったポケットの中の清掃)で、それがどの程度しっかりできているか、が肝心ということです。

歯周病は、抗生物質や抗菌剤(うがい薬など)を使うと良くなる?

講演では、バイオフィルム(プラーク)がついていく様子やバイオフィルムの特性について詳しくお話がありました。それを踏まえて、歯周病を治療する際の抗生物質や、抗菌剤の効果、使い方について講義がありました。

歯周病をおこすばい菌は、バイオフィルム(プラーク)として、べたっと歯の表面についています。①ばい菌は、ねばねばした物質を作って、ばい菌自身はそのなかにひそんでいます。②また、ばい菌自体の活動性は低い状態でいます。抗生物質は、代謝が活発な状態の方がよく効いてくれるのですが、①と②の理由で、バイオフィルム中のばい菌は、薬剤から強力に守られていて、薬剤がとても効きにくいです。歯周病の治療で、抗生物質を使うのは、ごく限られた場面のみにすべきです。抗菌剤(うがい薬など)は、手術のあと、歯磨きができないような時期に、一時的に使う、というのが原則です。

近年増えている問題、インプラント周囲炎

近年問題となっているインプラントの周りの粘膜の腫れ、インプラント周囲粘膜炎、インプラント周囲炎についても講義がありました。

インプラントの周りの粘膜にも、歯周病と同じような腫れがおこることがあります。粘膜の腫れだけがおこっていると、インプラント周囲粘膜炎、それに加えて支えている骨が減ってしまっていると、インプラント周囲炎、ということになります。

これらに対する処置は、基本的に歯周病の治療と同様です。ただし、インプラントは”ネジ”の形をしている(溝がきってある)ので、表面をしっかりきれいにするのが、歯よりしにくいです。きちんと治療すると効果的ではあるものの、歯より難しい面があります。

まずは、インプラント周囲の粘膜を健康に保つように、メインテナンスをしっかりとしておくことが大切です。

イエテボリコンセプト!!

 ご講演は、最新の研究を積み重ねながら、単なる目新しさや、小手先?の手技や治療器具に走ることなく、本質を見極め、不必要なことはせず、患者さんにとって有益な治療を構築する、という、まさに”イエエボリ コンセプト”を表すものでした。

再確認や、アップデートもでき、大変有意義なご講演でした。

 

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